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笑顔の女性

婦人科がん 予防と早期発見

子宮、卵巣がんなどの女性特有の病気は、予防と早期発見がとても大切です。

子宮・卵巣など女性臓器にできる悪性腫瘍には、代表的には子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんがあります。

​こじま産婦人科では、定期的な検診や自己負担なしのワクチンなど、予防と早期発見のための検査をおすすめします。

がん検診について

子宮頸がん、体がんの早期発見のために、子宮頸がん検診、子宮体がん検診をおこなっています。 函館市をはじめ住民票登録のある自治体のがん検診事業に基づき、無料クーポン、または生まれ年による2年に1回の検査費用助成が受けられることがあります。

① 無料クーポンによるがん検診(函館市の場合20歳と40際になる年に個別送付されます)

② 生まれ年によるがん検診費用の助成 函館市の場合2023(令和5)年度は西暦奇数(昭和偶数、平成奇数)生まれで20歳以上の方は、子宮頸がん検診は1,500円、頸がん・体がん同時検診は2,200円の自己負担(超音波等を実施した場合の検査料、初診料、再診料は別に発生します)で行うことができます。この場合は自治体からのクーポン券は届きませんので、当院で検診を行った後、申請用紙にご記入いただくことで受検ができます。詳しくはお住まいの自治体のホームページなどをご確認ください。

​子宮頸がん

子宮頸がんは子宮の入口にできる悪性の腫瘍(がん)です。近年20~30歳代の若い女性の子宮頸がんが増加しており、出産や子育てをしている世代で小さな子どもを残して亡くなることもあるため、「マザーキラー」と呼ばれることもあります。

子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウィルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こります。

HPVはとてもありふれたウイルスで、海外の報告では異性との性交経験のある女性の84.6%が一生に一度はHPVに感染すると推計されています(Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664)。

 

初期の子宮頸がんには自覚症状がほとんどないため、検診を受けないと気付けないことがあります。

進行してくると不正性器出血、性交後出血などが出現してくることがあります。初期の病変までであれば適切な経過観察や治療によりほとんどが治癒可能ですが、

進行してから発見されると治療が大掛かりになったり、排尿障害やリンパ浮腫など辛い後遺障害を残したり、あるいは命に関わることも多くなります。

 

一方、この病気はワクチンによる「予防」と、定期的ながん検診による「早期発見」が可能な病気でもあります。

 

国の指針としては、20歳以上の女性において、2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されており、自治体からの補助対象となっているものもあります。「がんはまだ先の話」と思わずに、ぜひ、症状がなくても定期的な子宮がん検診を受けましょう。また、対象となる年齢の方はワクチン接種をご検討ください。

子宮頸がん予防ワクチン
(HPVワクチン)

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、子宮頸がんを引き起こす高リスク型HPVの感染を予防するワクチンです。 すでに感染したウイルスを排除する力はありませんが、これから新たにHPVに感染するのを予防する効果は非常に高いことが確認されており、初めての性交渉よりも前にワクチンを接種することで、より高い効果が期待されます。 当院では9価ワクチン「シルガード®️9」の接種が可能です。HPVにはいくつかの種類(型)があり、9価ワクチンは、このうち特に子宮頸がんの原因の80〜90%を占める7種類のハイリスクHPV(HPV16/18/31/33/45/52/58型)を含む9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。 シルガード®️9で接種を開始する方は、1回目の接種を受けるときの年齢によって接種のスケジュールが異なり、合計2回または3回接種します。いずれの場合も、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。

接種対象は

① 定期接種

小学校6年生〜高校1年生相当の女子 公費(自己負担なし)で接種できます。 函館市以外にお住まいの方は、自治体により接種医療機関が指定されていることがありますので、必ず事前にご確認ください。

② キャッチアップ接種

平成9年4月2日生まれ〜平成19年4月1日生まれの女性 令和4年4月〜令和7年3月までの3年間限定で公費(自己負担なし)での接種が可能です。(3回目の接種が令和7年3月までに完了している必要があるので、遅くとも令和6年9月までに1回目の接種をおこなっておく必要があります。)

③ 任意接種

上記に該当しない女性でも接種は可能ですが、自己負担が発生します。費用は1回あたり、約3万円です。

子宮頸がん予防ワクチンスケジュール

当院では、函館市、厚沢部町にお住まいの方の接種を自己負担なしで行えます。

北斗市、七飯町はじめ自治体により接種医療機関が指定されているところもありますので、住民票のある自治体のwebサイトなどでご確認をお願いいたします。

HPVワクチン接種の考え方について

日本では平成9年〜平成11年度生まれの女性では約70%がHPVワクチンを接種していましたが、その後ワクチンとの因果関係を否定できない副反応の報告が相次いだため、国は積極的に接種を勧めることを一時中断してきました。しかし、その後適切で大規模な科学的検証が行われた結果、ワクチンの安全性に特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、2022年4月から接種の積極的な勧奨が再開されることになりました。2022年以降、徐々に接種率が回復してきています。 報告されている副反応で最も多いのは、接種部位の腫れ、痛み、発赤など(%)ですが、ほとんどの場合、数日以内には軽快します。その他にも国はさまざまな副反応情報を収集、公開していますが、多くは一過性のものです。HPVワクチンに限らず、注射などの後に原因がはっきりしない身体の不調「機能性身体障害」をきたす方がいらっしゃることがわかっていますが、これについても専門機関と連携して対応できる体制が全国的に構築されてきています。 リスクのみを捉えて過剰に不安になるのではなく、接種のメリットとリスクを正しく理解した上で接種を検討されることが大切だと考えます。

詳しくは、厚生労働省のウェブサイトに記載がありますので、ご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html

子宮体がん

子宮体がんは子宮の奥にある子宮内膜という組織に発生する悪性腫瘍で、主にホルモンによって生じるがんです。50歳台以降の女性に多く、不正性器出血で気付かれる場合が多いとされています。

50歳未満でも、生理が長期間来ないことが多い方、肥満、高血圧、糖尿病などをお持ちの方はリスクが高いとされています。

不正性器出血がある場合はもちろん、生理(月経)周期の管理や定期的な超音波検査での確認が大切です。

子宮内膜の細胞を採取する子宮体がん検診も行うことができます。気になる方はぜひご相談ください。

卵巣がん

卵巣がんは、子宮の両わきにある卵巣に発生する悪性腫瘍です。卵巣にできる腫瘍には、腫瘍のもととなる組織の違いや、さらにその中でも良性のもの、悪性のもの、その中間の境界悪性のものなど、非常に多くの種類があります。がんが初期の段階では自覚症状はほとんどありません。

下腹部が膨れてきた、服のウエストがきつくなってきた、食欲がなくなってきたなどの症状で受診をしてはじめて診断されることも多くあります。

卵巣は子宮と異なり身体の奥の方に隠れているため、直接細胞をとって検査する「がん検診」ができません。

またどのくらいの間隔でチェックしたら良いかについても、決まったものがありませんが、すでに卵巣嚢腫などの腫瘍を指摘されている方は医師の指示に従って定期的に、腫瘍の指摘のない方も子宮がん検診などと併せて1年に1回程度は超音波検査などでの確認をお勧めします。

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